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レジリエンスを高めるために、科学的な裏付けを理解しましょう。そうする事で、最大にレジリエンスを自ら高めることができるでしょう。

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あなたの自己効力感を高める

2017/09/27

ちょっと前は「このハゲー!」の豊田真由子衆院議員が話題でしたが、最近は衆議院解散と「希望の党」の話でちきりですね。

小池百合さんが代表に就任する際に「日本には『希望』が少したらない・・・。だから・・・」という記者会見でした。この「希望」というキーワードは、心理学においても重要な単語です。希望は、ポジティブ感情の一つで、人の「生きがい」や問題解決に向けてエネルギーを生み出す感情です。

でも、自ら何もすることなく「淡い希望」だけを思い描くということではありません。可能性に目を向け、自ら事態を切り開くというところと結びついていることが重要です。その意味では、自信の裏付けが必要です。自信が無ければ希望も持てないということですが、小池さんの希望の党も自信の裏付けがあってほしいですね。

自己効力感とは

「自信」という言葉は心理学用語でなく一般的用語です。これで充分なのですが、心理学では「自己効力感(セルフエフィカシーSelf Efficacy)」という単語を聞いたことがありますか。この意味は「その人の持つ目標や成果の実現に関しての自己能力への確信と信頼」というものです。

この自己効力感があれば、「自分がうまくできそうだ」という予想があれば、実際の行動が起されるということになります。しかし、自己効力感が無いと「うまくできそうにない」という予想になるので行動を起こさないということになります。

これをもう少し詳しく見てみると、最初に「①結果を出すために適切な行動をとれるか」ということを考え、次に「②その行動が期待される結果を出すか」という二段構えになります。

ちょっと細かくなりますが、本やサイトによってときどき混乱しているので整理しておくと、自己効力感には、2つの定義があります。

一つは、「特定の目標行動に対して」の自己効力感というものです。これは、上のような治療に使っている場合よく見られます。

「このハゲー」という対応は、あの秘書のあの場に対する恐怖から起こったことで、そのような場合の適切な行動ができませんでした。しかし、他の場合は大丈夫ですという本人の説明の理屈です。「怒り」の功罪についてはここを参照

二つ目は、特定の場面を克服するときの行動に直接影響を与えるだけでなく、長期的な努力の維持や嫌悪に対する耐久力にも関係していて一般化された行動レベルの自己効力感というものです。これを一般性自己効力感と呼びます。

「このハゲー」のケースで言うと、録音された状況だけでなくて、本人は多くの場合、同じような反応をするのではないですかという批評家のコメントと同じ理屈です。

現在では、「自己効力感」という表現だけでは、特定の課題に対する自己効力感か、一般性自己効力感のことを指すかは、文脈で理解するしかないようです。混乱しますね・・・。

どちらにしても、自己効力感は、人の行動を決定する重要な要素です。そして、それは変えられるものです。

 セルフチェック

一般性自己効力感を測定する16の質問

下記は、「一般性自己効力感尺度」と呼ばれる検証済みの16の質問(GSRS)です。YesNoのどちらかで応えてみて下さい。(採点の仕方は質問の下に掲載)

1.      何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである。

2.      過去に犯した失敗や嫌な経験を思いだして、暗い気持ちになることがよくある。

3.      友人より優れた能力がある。

4.      仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。

5.      人と比べて心配性なほうである。

6.      何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである。

7.      何かをするとき、うまくゆかないのではないかと不安になることが多い。

8.      ひっこみじあんなほうだと思う。

9.      人より記憶力がよいほうである。

10.   結果の見通しがつかない仕事でも、積極的に取り組んでゆくほうだと思う。

11.   どうやったらよいか決心がつかずに仕事にとりかかれないことがよくある。

12.   友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。

13.   どんなことでも積極的にこなすほうである。

14.   小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである。

15.   積極的に活動するのは、苦手なほうである。

16.   世の中に貢献できる力があると思う。

Yes1点として合計して下さい。ただし、リバース質問は、2,4,5,7,8,11,14,15ですので、このナンバーは、No1点とします。私の経験では合計10点以上は高めで、6点以下は少し低めの目安です。

一般性自己効力感が高い人は、困難な状況において次のような特徴があります。

・適切な問題解決行動に積極的になれる。

・困難な状況でも簡単にはあきらめず努力することができる。

・腹痛や不眠などの身体的ストレス反応や、不安や怒りといった心理的ストレス反応を引き起こさない適切なストレス対処行動ができる。

要は、一般性自己効力感が高ければ、ストレス状況に直面しても身体的・精神的な健康を損なわず、レジリエンスが高くなるということです。

自己効力感の4つの高め方

では、自己効力感の高め方についてです。

自己効力感は、次の4つによって強化・形成されると言われています。

     達成体験

実際に自分自身で行動し、達成できたという体験のことで、これが最も自己効力感を定着させると言われています。

ポイントは、小さな成功体験を積み重ねることです。例えば、「明日の朝いつもより30分早く630分に起きる」ということを自分で決めて、確実に実行します。難しければ、10分前の650分でもよいのです。重要なことは難しいことを達成することではなく、確実に実行するということです。そして、それが実行できたら、「今日の午後、お菓子は食べない」という違いことを目標にして、さらに確実に実行するということです。このような成功体験を通じて、「自分の決めたことは、自分で実現できる」というように自分で自分を信用できるようになることで、自己効力感がアップしていきます。もちろん、徐々に目標の難易度を上げても良いですが、実行できるまでトライすることが重要ですので、難易度アップにはご注意を。

 

     代理経験

他者が達成している様子を観察することによって「自分でも出来そうだ」と学習することです。例えば、自分の知人が、不可能だと考えられていた偉業を達成すると、それが代理体験となり「自分にもできるのではないか」という自己効力感が発生することがあります。

本やブログを読んで影響を受けるとか、先輩の話を聞いて、「自分もやってみよう!」と行動に繋がることも、代理経験です。

例えば近くにオリンピック選手がいると、次々とオリンピック選手が育つスポーツクラブなどは典型ですね。また仕事でも、何か伝説的な事を成し遂げた人やモデルにしたい人が近くにいていろいろと話すうちに、自分もできそうな気になるのも代理経験の一種です。

     言語的説得

他者から達成可能であることを言語で繰り返し説得されたり、励まされたりする体験のことです。

親から「あなたなら出来る」「才能があるからあきらめずに努力すれば」と言われ続けると自己効力感が高くなります。しかし、言語説得のみによる自己効力感は、容易に消失し易いと言われています。おだてて木に登らせることはできますが、急に覚めるので気をつける必要があるしょう。

     生理的情緒的高揚

苦手だと感じていた場面で、落ち着いていられたり、赤面や発汗がなかったりする体験は、自己効力感が高められると言われています。当たり前の話ですが、場数を踏んでなれるとよいということになります。

芸能人やビジネスの世界でリーダーとして有名な人の中には、「人前で話すのは昔できなかった」と言う人はたくさんいます。やはり人は変われるのですね。

 最後に一点、これらの経験も、経験しっぱなしでは効果が少ないようです。これらの経験を一つ一つ意識化して、噛み締めることが重要です。是非、夜寝る前に、よい経験があれば、それを振り返ってみることをお勧めします。

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