レジリエンストレーニングの理論と内容を知ってますか?

レジリエンスを高めるために、科学的な裏付けを理解しましょう。深く理解する事で、最大にレジリエンストレーニングの効果を高めることができるでしょう。

トレーニング法

自己理解を深める研修のための実習とそのコツを紹介

2017/12/24

レジリエンストレーニングは、認知行動療法を応用するために、自分の思考パターンをある程度理解する必要があります。そのため、研修参加者が普段気づいていない自分を見つめる場を研修で提供する必要が出てきます。そのために、今回は、Tグループのエッセンスを応用した体験学習方式の研修モジュール実習の一つを取り上げ、その仕組みと運営ノウハウを紹介します。

ラボラトリートレーニング、Tグループについては、レジリエンストレーニングをもっと効果的にを参考に

自己理解を深める三つの方法

 まずは、自己について理解を深めるための方法は、3つしかありません。

 1.自分で自分自身について考えることで深める

2.他者から情報をもらう

3.セルフアセスメントを含めてアセスメントツールを使う

 今回は研修の1つの実習を取り上げますので、1についてです。

現代人は自分を考える時間が無い!

「1.自分で自分自身について考えることで深める」について「当たり前てしょ」と思う人も多いかもしれません。しかし、現代人は、日記を書くときぐらいしか自分自身の事を考える時間が無いといわれます。

 みなさんは、如何てすか?最近、自分自身のことについてじっくり考えたのは、いつのことか思い出せますか?

講義の小ネタ

「自分自身のことを考える時間が無くなったのは「闇」が無くなったからだ」と、ある日本人の哲学者から聞いたことがあります。

 みなさんは、自分の手が見えない闇を経験したことありますか?目の前5センチくらいにかざした手が見えない闇です。

その哲学者は「明かりの時代は、毎月闇夜があり、何も見えない闇の中で、何が見えてくるかというと、それは自分自身が見えてくるのです」と、深~い話しでした。

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自分のことを考える実習

さて、研修についてです。よくおこなう実習は、「自己について語る」というもので、グループの中で、他の人達に対して10分間をフルに使って、自分自身がどのような人間かについて話すというものです。

 どんな経験をしたとか、どのような仕事をしてるかというものでは無く、自分の内面を語るよう指示します。

この実習のねらいは、プレゼンテーションスキルアップで無く、自分自身を考えてみる事です。

ですので、準備時間を10分か15分、しっかり取ります。誰とも会話しないよう「10分間の発表は想像以上に長いです。早く終わっても切り上げません。沈黙も自己表現ですから」とプレッシャーをかけ、自分自身に目を向けるようにします。

発表のときは、講師が時間を区切り、グループには任せません。他の人から質問も禁止にします。

研修参加者には、実習のねらいをわざと告げず、後でタネ明かしします。その時に、「闇」の話しをして「自分自身についてどのくらい考えられましたか?」と問いかけるやり方です。

その直後に、「自分自身のことについて考えてたときを振り返ってみましょう。感想、コメント、感じた事をグループで共有してみましょう」と提示します。

実習の手順詳細

 この実習の流れと、時間配分は、次のようなイメージです。

1.実習の概要と手順の提示5分

2.個人で準備10〜15分

3.グループ内で発表 一人10分×人数

4.講師からタネ明かしと、付加的講義

5.自分自身のことを考えてたときと、発表の実習について、グループでの振り返り10〜20分

6.講師からのコメント、講義

 合計で、1時間半〜2時間ぐらい

このモジュールは、Tグループのエッセンスがかなり盛り込まれています。下の解説を理解すれば、この実習の実施だけでなく、いろんなモジュールを作れるようになるでしょう。

実習のコツ

 実習の流れに隠された実習の意図

まず、モジュールの構成です。

実習(体験)⇨振り返り⇨一般化のための講義⇨学び

この流れが非常に大事です。

何故なら、「教わる」のでは無く、「振り返り」を通じて自分自身で考え、自分で解答をつくることが大事だからです。

研修の場では、講師が個人個人にアドバイスできません。仮にできたとしても、それは一時的なものに過ぎません。

もっと大事なことは、経験を通じて自分自身で学ぶ力をつけることです。

「釣った魚を与えれば今日の飢えはしのげますが、魚の釣り方を教えれば一生飢えることがない」ということです。

この振り返る思考の訓練が、自分の思考パターンを理解するカギとなります。

この構成の仕掛けは、実習を題材にして研修参加者が考えるものです。言い換えれば、教室の中の自らの経験を教材にして考えるというもので、研修参加者は、学習者でありながら、同時に教材提供者であるということで、他にテキストは要らないということです。

そして講師の講義は、単なる情報であり、ヒントに過ぎず、真の学習コンテンツは、そこで自らが考えたことであり、自分について新たに知ったことです。

このアプローチが有効なのは、皆異なる人間が集まり、それぞれに「自分はどうあるか」、また、「どうあればもっと良くなるか」という情報を得ようとするときです。

私達は、長い学校教育の中で、教室では、共通のものを教わり、皆が同じもの(法則や歴史みたいに)を学習するのになれていますから、初め馴染みにくいかもしれません。

各局面の運用のポイント

 次は、このモジュールの流れで、より学習の効果を上げるために「どのように進めていくか」についてです。

1.実習の概要と手順の提示5分

私の場合は、研修参加者に、あまり構えさせないために、この提示は、できるだけサッパリとおこないます。

手順はPPTで見せます。

しかし、時間配分は、「発表 一人10分」だけ明記。あとの時間配分は明記しませません。(後述)

 

2.個人で準備10〜15分

「みなさんのペースに合わせようとおもいますが、10ぐらいを目処に、どうぞ」と言ってスタートします。そして、誰とも会話しないよう「10分間の発表は想像以上に長いです。早く終わっても切り上げません。沈黙も自己表現ですから」とプレッシャーをかけ、自分自身に目を向けるようにします。

また、メモをたくさん書く人がいますが、「すべては書ききれんまで、話すネタの箇条書ぐらいが良いですよ」とコメントをいれます。

終了時間は、全体の8割ぐらいができた段階で、「あと三分ぐらいで発表を開始しましょう」と提示。

研修参加者によってかなり時間にバラツキが出ます。長すぎると集中力が切れ、研修の緊張感がなくなります。一方、短すぎると自分の事を考える事を深められません。難しいところですね。

 

3.グループ内で発表 一人10分×人数

このセッションは、機械的にルールを守らせて。特に、質問したり、会話しないよう管理する必要があります。

中には、時間が余ってしまう人がいますが、その人は自分の事を多く語れなかったという教材を提供したのです。

その事実を、自分がどのように考えるかは、次のセッションの課題です。

 

4.講師からタネ明かし(実習の真のねらい)と、付加的講義

上記参照上段へジャンプ

 

5.自分自身のことを考えてたときと、発表の実習について、グループでの振り返り10〜20分

このセッションが、一連の実習の、学びの収穫です。

始め、研修参加者は何を話したらよいか戸惑いがありますから、「感想やコメントは、何かありますか?」と全体に問いかけると、動きだします。

ただし、4.講師からタネ明かし(実習の真のねらい)が、しっかりと研修参加者に伝わっていないと、この振り返りが、うやむやになって失敗に終わります。

できれば、講師が、各グループを回って、「なるほど」と承認し、時折、質問して、承認というアプローチをしたいですね。この場合は、承認から入るのがコツです。

終了は、全体の緊張感が緩んできたときです。

また、後のモジュールにどのような点を付加すれば、研修参加者がより深く考えられるようになるかを考えつつ各グループを観察し、フォローが必要な特定の参加者を確認します。

6.講師からのコメント、講義

ここまで来れば、後は、講師におまかせ。最後は、次のセッションへのブリッジングです。

是非、試してみて下さい。

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