レジリエンストレーニングの理論と内容を知ってますか?

レジリエンスを高めるために、科学的な裏付けを理解しましょう。深く理解する事で、最大にレジリエンストレーニングの効果を高めることができるでしょう。

トレーニング法

レジリエンスの学習を高める方法

2017/12/24

「レジリエンス強化のためのやり方を本で読んでも、心理学の基礎知識が無いと理解できない」という意見をよく聞きます。

今回は、新しいことを学習する際に当事者の頭の中で起こることと、それを読書やトレーニングでどうすれば良いか、私なりの経験と考えを紹介します。

短時間で学習を深めるなら、集団学習しかないです!

学習の何が難しいか

「群盲、象をなでる」という有名な寓話があります。

多くの目の見えない人がそれぞれに象の身体の各部分に触れて、

足に触れた人は「象は柱のようだ」と言い、
尾に触れた人は「象は縄のようだ」と言い、
鼻に触れた人は「象は管のようだ」と言う、

という話です。

これは、全体像を「見る」ことができないため各部分だけを見て、それなりの理解をするという話というだけでなく、様々な示唆が感じられます。

概念の「一部をなでている」状態

まさしく認知心理学をベースとした演習を本を読んでも、この逸話よのように、例えば、「自己解釈の仕方ね?」と、その言葉を、頭の中でコダマさせるしかできません。(ABC理論の説明の一部)

読み手は、少しずつしか情報が入って来ないため、「これは?こんな意味かな?」とあれやこれやと考えを巡らせて、暫定的に「自己解決とは、意味づけする事かな?」というような自分なりの解釈をするしかありません。

これは読み手が概念の「一部をなでている」という状態です。象の一部をなでるのと同じことですね。

次に読み進むと、「考え方を変える」と出て来て、「うん?」とまた、疑問というか腑に落ちない言葉とぶつかります。

そこで、二つ目の意味を考えるわけですが、今度は、前に出てきた「解釈」と「意味づけ」との共通点を同時に模索し始めます。

また、頭が、けたたましく巡ります。どうも落ち着きません。(この状態は学習に非常に良いことですが)

もしも、これが、研修の講義中なら、この時点で講師の声は頭の中には入ってこなくなり、ヘッドトリップとなり、思考停止のように見えることでしょう。

落ち着く瞬間

暫く考えていると、以前読んだ本の一節が頭に浮かんできて「物の見方を変える」というフレーズと結びついて、「あ!分かった。レジリエンスは物の見方を変えることだ」と、妙に分かったような気がします。そして、気持ちが落ち着きます。

ポイントは、この「気持ちが落ち着く」ということです。

この状態になると、頭を巡らす思考は停止します。

その結論が正しいか、真の理解に至ったかは別で、従来の頭にあったものと関係づけに成功して精神的安定を得ただけです。

ヒューリスティックスや認知バイアスが働いてしまって学習がうまくいかないケースですね。

何故なら、{自己解釈の仕方⇨考え方を変える=物の見方を変える}という理解では、「象は柱のようだ」と同じ程度の理解で頭を使うのをやめてしまうことになります。

このような思考停止が学習障害の第一の理由です。

レジリエンスの学習は、スポーツ習得と同じ

さらに、レジリエンス関連は、数学のような論理だけでなく、体感的、体験的に理解していく必要があります。これはゴルフやスキーのようなスポーツを習得するのと同じプロセスを必要するということです。

例えば、ゴルフやスキーのように、両足をついた状態で体重移動が重要と言われますが、この体重移動の感覚は、初めての人間には??で、「自分でどうすることが体重移動なのか」ということだけでなく、「どうなったら自分が体重移動したことになるのか」ということすら理解できません。

これは、肉体的感覚を言葉で教わるので、人によっては肉体的感覚が同じでも、言葉での表現が異なるように、他者の言葉の表現から肉体的感覚を自分で想像するのは非常に困難です。

これを習得するには、様々な言葉でのアドバイスを参考に、何度も自分で試行錯誤して、上手くいった時の感覚を、自ら発見するしかありません。

一方、レジリエンスの学習とは、「自分の頭の中で考えるプロセスをいろいろと変えてみよう」ということです。

「思考を変えれば、感じ方も変わる」というのが認知療法の極意です。しかし、問題は、果たして、本に書いている演習を行ったけど、「どの程度、これが実現したか?」ということが分からないということです。

このことが、スポーツを教わるときの戸惑いと同じですね。

そして、この体感的理解の難しさが、学習障害の第二の理由です。

常に二つに焦点を当てる思考と学習が求められる

レジリエンストレーニングで最も重要で、かつ、難しいことは、「ネガティヴな自動思考」とその自動思考を作り出してある「スキーマ」の二つを考えなければならない事です。

本では、常に一つの考えを文章で表現するしかできないので、なかなか理解しずらいものです。

そして、論理、感情、対感覚を使った理解を促進していく必要があります。この感情や対感覚は本で読んだだけではピンと来ないときは多々あります。

参考リンク:認知の歪みとスキーマ

対策は「体験から学ぶ」方法を見つけること

効果的な学習法は体験から学ぶことですが、そのためには、その心理的体制を、心身ともに作る必要があります。

そのためには、「他者とともに学ぶ」ということが最も効果的です。

他者と共に学ぶ

やはり、一人で考え悩んでも時間がかかるだけでなく、学びにも限界があります。

それに対して、他者との協働の学びは、

まず、他者に話すことで、自分の考えを整理することができ、しゃべることで新たな気づきが発生することも珍しくありません。

そして、同じ事柄についても、他者の考えや意見で教わることはたくさんあります。

さらに、相互の意見交換から第三の発見が生まれることもあります。

このような建設的な関係は、理論や意見のやり取りによる共有だけでなく、感情の交流や共感も非常に重要です。

このような関わりが、最もシンプルな「体験」そのものであり、「体験から学ぶ」ということです。

このことは、脳科学的にも説明されています。他者との感情を含めたやり取りは、脳の様々な部位を使用し、非常に脳を活性化させます。

また、脳は感情と論理を同時に扱うことはできませんが、他者とのやり取りでは、この二つが交錯することになり、いろんな方向にシナップスのスパークが伸びていくことで、創造性が高まります。

他者と共に学ぶための環境

このような他者との創造的な関係を作るには、下記の三つの要素が必要です。

1)何でも率直に言える信頼関係

もし、相手に何かを言った時に拒絶される可能性があると考えると、相手に言えなくなってしまいます。率直な発信を可能にするのは相手に対しての信頼がなければなりません。

2)他者から何でも受容できる解放性

これは、(1)の逆ですが、それを作るためには、自分自身が、相手に対してオープンで解放的である必要があります。

3)フラットでザックバランな関係

これは、言葉通りです。

このようなチームづくりをどのようにするかは、下記リンク先を参考に

自己理解を深める研修のための実習とそのコツを紹介

-トレーニング法