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心理学

マシュマロ実験は子供たちの我慢強さの結果でしょうか?

皆さんよくご存知の「マシュマロ実験」というか、正式にはマシュマロテストについてです。

これは、スタンフォード大学のビング保育園(心理学部の教育研究機関)で行われたものですが、「我慢強い子供が将来上手くいく」という話題を提供しました。

しかし、「このテストは、子供自身の問題でなく、育ってる環境のせいだ」という別の実験結果もあります。

マシュマロ実験の概要

4歳児を集めて

もともとの1968年の実験で、4歳児たちを小さな部屋に招きいれ、マシュマロを前に置いて、

「いま食べてもいいけれど、15分間待つことができたらもうひとつマシュマロをあげる」

「途中で食べたくなったら、ベルを押せば食べられる(もうひとつのマシュマロは無しになる)」と、

子どもに伝えて、実験者は部屋を出たのでした。

ほとんどの子どもたちは、待つことを選んだそうです。

4歳児達の反応

4歳児たちのことですから、当然お菓子を食べたいという生理的欲求のほうがそれを我慢しようとする自己抑制や理性を圧倒してしまいます。

自制心を働かせるために、子どもたちはさまざまな作戦を編み出しました。

手で目を覆う子どももいたし、部屋の隅に立って、マシュマロを見ないようにした子どももいました。机を蹴りだしたり、お下げの髪をいじったり、マシュマロがぬいぐるみであるかのように見立てて遊ぶ子どももいました。

このような作戦をおこなった、参加した4歳児のうち約25%が、約束の時間まで「満足を遅延させること」に成功しました。

子どもたちが待つことができたのは、平均で2分間で、「ベルを鳴らさずにすぐ食べてしまった子どももいた」とのことです。

マシュマロ実験の追跡調査

私の記憶が正しければ、ミシェル氏は、追跡調査を当初考えていなかったと聞いています。ある日、大学の自分の生徒があの4歳児だったことを知り、「では他の子達はどうなっているのだろう」というキッカケから追跡調査を始めたはずです。

この実験から12年後、ミシェル氏は、マシュマロ実験に参加した被験者約600名の保護者や教師、学習指導者に対して、被験者たちの日常生活について尋ねるアンケートを送付しました。

その結果、1分以内にベルを鳴らした子どもたちは、学校でも家庭でも行動上の問題を抱えている率が高いことが分かりました。

そして、15分待てた子どもは、30秒しか待てなかった子どもよりも、SAT(大学進学適性試験)のスコアが平均して210点高かったというデータもあります。

整理すると待てた子供達には、以外のような特徴があるそうです。

・大学進学適正試験(SAT)の点数が良い
・中年になったときの肥満指数が低い
・自尊心が高い
・ストレスにうまく対処する

ミシェル氏の研究は、セルフ・コントロールや我慢強さが、実生活では非常に重要だということに焦点をあてるものでした。

研究の解釈:満足を遅延させる

マシュマロ実験は、我慢するのではなく、「満足を遅延させる」ことができるかどうかの問題だと説明します。

要は、マシュマロから気をそらすことができるかどうかにかかっていると言うわけです。

この実験で、5,6歳になると、子どもたちは待つために、誘惑から気をさらすようになります。

例えば、「歌を歌っていよう」「宇宙に出かけることにしようかな」などです。

さらに年齢が上がると、二個もらえる条件に意識を集中し、それを繰り返し口にすることで、その価値を理解し、それを強調しました。

例えば、「もし待てば、マシュマロが2個もらえる。でも、ベルを鳴らしたら、一つしかもらえない」

また、自分に忠告や指示を与えました。例えば、「“だめ。ベルを鳴らしちゃいけない”って言うんだよ。もしベルを鳴らして先生が入ってきたら、これ一つしかもらえないから」というようにです。

12歳くらいになると、ほとんどの子どもが、関心をかき立てるホットな思考に勝るクールな思考を持つことができるようになるようです。

結局、欲求充足を先延ばしにする作戦を理解している子供達が、それを知らない子どもたちよりも、マシュマロ実験で長く待てたのです。

マシュマロ実験結果の別の解釈

ローチェスター大学大学院生のCeleste Kidd氏は、ホームレスのシェルターの子供達を見て、もしこの子達がマシュマロを与えられたら、皆その場で食べてしまうだろうと疑問を持ちました。

「マシュマロ実験」とは、「子供の自制心」が強調されているけれど、他に何か原因があるのではないだろうか?と考え、「マシュマロ実験」の別のバージョンを考え出します。

子供達にマシュマロを与える前に、まず、蓋をされたビンに使い古されたクレヨンを子供達に渡し、「そのクレヨン使ってもいいけれど、少し待つなら、スタッフが新品のクレヨンを持ってきてくれるよ」と伝えます。

待っていた子供達の1つのグループには、スタッフが新品のクレヨンセットを渡し、もう1つのグループには、「ごめんごめん、クレヨン無かった」とスタッフが手ぶらで現れます。

そして2回目の「素敵なシールを持って来る」という約束実習も同じように進められます。待っていた子供達の1つのグループには、「ごめんごめん、あると思ったけどなかった」と手ぶらでスタッフが戻るのです。

その後に「マシュマロ実験」をしてみると、クレヨンとシールを渡されなかった子のグループは、14人中13人が、すぐにマシュマロを食べてしまったとのこと。

クレヨンとシールを渡されたグループで食べてしまったのは、14人中5人だけだったそうです。

つまり、この別バージョン実験が示すのは、「マシュマロ実験」では「その子自身の我慢強さ」が強調されていますが、実はその子がどんな環境に置かれているかということが大きいのではないかという見方ができます。

周りの大人が、約束や予定をころころと変えてしまったり、子供と信頼関係を築けていないような状況では、「今食べとかないと、2つどころかいつ食べられるかどうか分かりゃしない」となってしまうのではないかという問題提起です。

まあ、この実験は、アンカリングの操作も感じるので、単純比較はできませんが、4歳児の持つ素養が将来に影響するより、その4歳児を育ている環境の方が影響力があるという意見のほうが、私には納得性があります。

みなさんは、どう考えますか?

アンカリングについての参考リンクはこちらから。

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