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脳科学

あなたの思考は硬直化していませんか?

北朝鮮の問題は冬季オリンピックを終えて、どのように展開していくかわかりませんが、北朝鮮からは、相も変わらず日本に対して挑発的な発言が目立ちますね。北朝鮮には敵を挑発するための過激な文章を考え出す部署があるとさえ言われています。皆さんの中には、そんな文章を読んで、怒りや不安を感じる人が少なからずいることでしょう。

不安を感じると脳の違う領域で思考する

 実はこの「怒りや不安」を感じさせることが北朝鮮のねらいです。でも、感情的にさせて何かの弾みに行動を起こさせようということでまでは考えていないでしょう。せいぜい「怒りや不安」を感じさせることで、状況認識や意思決定を誤らせようという程度かもしれません。

 人間は、不安を感じる、脳の思考する場所が普段とは異なったところでなされます。具体的に、ストレスが無い状態では、前頭葉が人間の思考をおこなっています。その思考は、創造的で、将来を予測し、幅広い視点から合理的に考える、まさに人間の思考です。

 一方、不安を感じると、偏桃体や脳幹のあたりの生命維持装置がすごいスピードで動きだします。そして、前頭葉の時間のかかる思考は後回しになります。

脳は同時に異なった個所で考える

 しかし、私達は、脳の中でこのような二つの思考が同時に発生しているとは感じません。ついカッとなることはあるかもしれませんが、それ以外は「いつも冷静に考えている」と感じるものです。そして、いつも「私の思考は一つの結論に収束している」と感じがちです。

しかし、実際、脳の各部署が様々な思考をおこない役割分担しながら、時に、矛盾する思考をし、それぞれが攻めあっています。

 その代表例が「不安」に直面した時です。このとき脳は、緊急体制が引かれます。現代社会では生命の危機などは人生の中でそんなにあるはずがないのですが、この脳の緊急体制は毎日のように実施されています。

脳の緊急体制というのは、前頭葉より偏桃体のような原始的な脳が優先して働きます。パソコンの例でいえば、何か異常があると急にOSの警告(赤字)が出て、そこで示された手順しか操作できない状態です。このOSの警告プログラムと同じものが脳幹や偏桃体から発せられます。OSの危機を脱しなければ、エクセルやワードのようなアプリケーションは作動しません。しかし、これらのアプリケーションが壊れたりデータが無くなるわけではありません。このアプリケーションと同じ位置づけが前頭葉です。

 脳幹や偏桃体の主な機能は、生命維持ですので、自分の生命を守るために、人間が何よりも優先しておこなう反応ということです。ここでおこなわれる思考や行動パターンは、シンプルで、「攻撃」「回避」「逃避」「探索」というものです。

 これはあくまでも緊急避難的な思考や行動ですので、あまり高度なものではありません。スピード第一で、あまり複雑に考えず、即座に決定・行動とつながるようになっています。違う表現をすると動物的、本能的反応です。したがって、あまり合理的でないことがたびたびあります。要は「お馬鹿さん」な思考です。

 北朝鮮の挑発もこの「お馬鹿さん思考」を日本に仕掛けているかもしれません。

自分は、いつも正当に思考していると考えている

 注意を促したいのは、このような思考を私達は、毎日普通に受け入れ、自分では「しっかり考えたもの」と認識してしまっている事です。

 例えば、朝の列車のラッシュで気分を害し、その気持ちのまま会社に行って、会議に参加すると、「あの課長の提案、上手くいくはずがない」と頭に浮かび、それ以降、上手くいかない理由を探し続けるというような現象です。

 このような思考は、別に命の危機に瀕しているわけでもないのに、前頭葉の思考が止まっています。この現象では、ネガティブなことに注目し、ポジティブなことに目が届かないという思考の歪が発生しています。

 経験的に頭の中では、「これが起こっているということは、次は・・・。そして、その次は・・・」というように連続的、発展的に考えることがよくあります。もちろんただ一つのストーリーだけでなく、様々に枝分かれして、様々な可能性が考えられます。名探偵コナンなどは、この典型です。

コナン君は、この推理(ストーリー)を考えるときは100%前頭葉で思考しています。それに比べて犯人の犯行動機はどうでしょうか。極めて単純、というか、単純な誤解だったり、「なんで殺人なの?」と思わせる理解不能な思考だったりします。この思考が偏桃体達のおこなう「お馬鹿さん思考」です。しかし、犯人の犯罪トリックは前頭葉で緻密に考えられています。この辺が面白いところです。

人は、自分がどのような思考をしていても「自分は極めて正当に思考している」と考えています。

硬直化した思考を検証する

 この「お馬鹿さんの思考」の兆候は、自分で「これしかない」とか「きっと、こうに違いないというように唯一の解答(結論)しか頭に浮かんで来ないことです。直観を否定しているのでなく、2~3の事象から一つの結論しか導き出さないという「単純な思考」に警鐘をならしています。

 「お馬鹿さん思考」は、単純なだけなく、硬直的で柔軟性が無い思考です。物事には様々な選択肢がつきものです。たとえその選択肢があまり有効でないと感じても、この選択肢を考えてみることは、自分が硬直的な思考をしていないかどうかをチェックし、思考の柔軟性を拡大します.

みなさんも、イライラしているときに何らかの決定をするときは「他に推測できる結論や選択肢が無いか」を、一度考えてからにしましょう。

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