知って得する効果最大化!レジリエンストレーニング

レジリエンスを高めるために、科学的な裏付けを理解しましょう。そうする事で、最大にレジリエンスを自ら高めることができるでしょう。

米軍レジリエンストレーニング

米軍のマスター・レジリエンス・トレーニングのモジュール2:メンタルタフネスをつくる

2017/12/25

今回は、アメリカ軍にペンシルバニア大学が提供しているマスター・レジリエンス・トレーニングについて紹介しているブログで書ききれなかったモジュール2の概要を紹介します。

このブログは、アメリカン・サイコロジスト2011年1月号のMaster Resilience Training in USAを参考に全体像の理解のために概要をサクッと記載しています。

Master Resilience Training in USAの全体像のブログリン先:CSFプログラムの中のひとつ、マスター・レジリエンス・トレーニングの内容紹介in2011

なお、個別項目については、リンク先に個別内容について詳しく記載してますので参考にして下さい。

モジュール2

モジュール2のねらいは、レジリエンスコンピテンシーを高めるための、認知行動療法を研修スタイルに加工し直した下記8つのスキルの習得です。

  1. ABC理論
  2. 思考のワナ
  3. アイスバーグ(深いビリーフ)
  4. エネルギーマネジメント
  5. 問題解決
  6. 破壊的思考(負の思考のスパイラル)の最小
  7. リアルタイムの非生産的思考の対処
  8. 感謝の気持ちを育てる

ABC理論

ここでは、行動引き起こす出来事(思わず反応してしまう出来事)に対するリアクションの引き金は、当事者のそれについて「考えた事」であるということを学習します。

いわゆる、A)行動を引き起こす出来事→B)ビリーフ(信念)から来る「考えた事」→C)感情やリアクション(結果)という構図を理解し、仕事上やプライベートの出来事の自分のケースを考えてみます。

何度か繰り返すうちに、自分の思考パターンや非生産的な思考パターンに気づいて行くことになります。

ABC理論のブログのリンク:心理学の位置づけ知ってる?認知療法:ABC理論

説明スタイルと思考のワナ

ここでは、説明スタイルや思考パターンについて焦点を当てます。それが、リーダーシップや生産性、メンタルヘルスを高めるものか、それとも弱体化させるものなのかを考えます。

具体的な事例を多く使って、思考のワナ(例えば結論に飛びつく)の説明スタイルについて学習します。

例えば「一つの行動を見て、彼(部下)の能力を決めつけてしまう」という事例を、シナリオを語るように紹介し、如何に部下が自信を無くし、士気が下がっていくかというプロセスを見せていきます。

次に、このような思考のワナから抜け出し、重要な情報に気づく一連の質問項目を提供します。そして、最終的には、自分の思考パターンを理解し、それをリカバリーするための質問を身につけるようになります。

思考のワナのブログのリンク:レジリエンス強化のために「思考のワナ」から抜け出す

アイスバーグ(深い部分に持っている信念)

ここでは、深い部分に持っている信念(例えば、「すべて自分のやり方でできる」「助けを求めることは弱点を見せること」)や中核的な価値観(例えば、人は尊厳をもって扱われるべき」等)を明確にして行きます。

信念や中核的な価値観を明確化したら、次のような質問を自問自答してみます。

それは、意味あるものですか?状況的に正しいものですか?不変のものですか?有効なものですか?

このようなプロセスを通じて、信念の建設的なものと、効果的でないものを理解するよう試みます。

特に注意を引いた事柄は、「助けを求めることは弱点を見せること」という軍人らしい信念です。

何故なら、この信念が作り出す文化は、他者やリーダー、同僚、ヘルスケアのスタッフに対しても弱みを見せないということにつながり、なんでも自分だけで解決しようとするものとなっていたからです。

これは、必要以上に自分を傷つけることに繋がる組織文化と言えます。

しかし、今では、この文化は変革されつつあるとのことでした。

エネルギーマネジメント

ここでは、自分のエネルギーを瞑想や呼吸法、筋肉のリラックス等の手法を使ってコントロールするユニットです。実際の実習は、研修期間中に細かく組み込まれています。

問題解決

ここでは、6ステップに分けて、正確に問題の原因をつかみ、問題解決していくためのモデルを紹介しています。

そして、自分が無視しがちな情報や信じ込んでしまいがち情報について、そな自分の傾向や確証バイアスについて理解します。

確証バイアスが如何に非生産的で、リーダーシップを弱体化するということを学習し、問題のとらえ方に対する思考パターンを質問によって明確にしていきます。

大惨事思考の最小化

大惨事思考とは、悪いケースを思い巡らせてしまい、負のスパイラルに入り込み、最後には大惨事に至る思考のことです。

具体的には、ビデオを使って、家族とのメールのやり取りから、あり得ないストーリーを思い描く事例を紹介します。

この辺の事例は、軍隊特有の家族との長い間離れた生活という特殊環境がありますね。

ここでは、3ステップモデルを紹介しています。

第一は、大惨事のケースを書き出し、第二に、最も楽観的で可能なシナリオ書き出します。最後に、最も可能性のあるケースを書き出します。

そして、最後の最可能のケースを参考にしながら、今の状況を改善していくための計画を立案します。

これらのプロセスを通じて、大惨事思考から抜け出します。

リアルタイムに非生産的な思考に再度挑む

これは、否定的な思考に対して即座にチャレンジすることです。このような否定的な思考は、自分の自信を無くし、モチベーションを下げてしまいます。

ここでは、「頭の中でチャットする」スキルを学習します。

これには3つのポイントがあります。

それは、証拠、楽観性、大局観です。そして、その否定的な思考を起こすエラーを最小化し、より現実的なものにし、その否定的な思考を否定するようにします。

さらに、それが、一度きり、一つの事、自分だけの状況でなく、ある程度中期的な視点でもそうかという点からも、そのエラーをチェックします。

なお、これは、無条件に、否定的な思考を肯定的思考に置き換えるというものではありません。

感謝の気持ちを育てる

ポジティブ心理学の有名な実習である「三つの良いこと」(直訳では『神の御加護』)を毎朝実施しています。

このねらいはポジティブ感情の醸成です。

何故なら、「良いこと」あるいは、「悪いこと」と明確に判断できることは全体の30%程度です。言い換えれば70%は判断できないことになります。

そのような中、1日の中で「3つ良いことを上げる」となると、この70%中から良い面を見つけ出す必要が出てくることでしょう。

そのため、「三つの良いこと」の実習は、楽観性のトレーニングとなります。(ただ、今となっては、古典的な実習ですが)

さらに、自分にとって良い体験を思い出したり、それを表現しているときは、当時と同じ良い気持ちなり、ポジティブ感情が発生することは、脳科学でも証明されています。(仮にそれが実際に起こってなくても、その記憶があるなら)

最後に

モジュール2だけで、8項目もありますが、全体像を伝えるために、要約してしまいました。

是非、リンクを読んでみて下さい。

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