強み! 得意なことやスキルは強みと言えない
2017/12/27
「あなたの強みは、何ですか?」と質問をすると、大抵の場合、「英語喋れます」とか「図面が書けます」というようなスキルが回答として帰ってきます。しかし、それを強みと言うには、ポジティブ心理学からすると、少し観点が違います。
目次
強みは、得意なこと?
実は、質問自体が、「強み」という非常に広い意味の単語を使っての質問ですから、自然と相手の考えや関心が反映した回答が帰ってくるようにするオープン質問となっています。
このような質問は、採用の面接やキャリアコンサルタントとの面談では、よく使われています。
しかし、実際に、自分の強みについて語れない人が多いらしいです。
その気持ちは、よく分かります。
「得意なことはなんですか?」という質問なら答え易いです。何故なら、他者や状況に関わらず、自分の中で「一番得意なこと」を話しすれば良いのですから。下図Aの領域
強みは、他者に誇れること?
ところが、「一番得意なこと」が必ずしも他者より「優れている」とは限りません。そうすると強みと聞かれても、答えるのに困るという状態になります。
この場合の強みとは、「自分が他者に誇れるもの」という定義になります。下図Bの領域
強みは、自分のエネルギーがでるもの!
これに対し、ポジティブ心理学では「強みとは、誰でも本来持っているもので、その強みを使うことで、自分の精神的エネルギーか高まり、モチベーションが高まるもの」と定義しています。それがVIA診断です。
自己診断の勧め
この強みを明らかにする無料のVIA診断を希望の方は、こちらのVIA診断案内から
この診断は、24の強みを定義していて、診断結果の上位3〜5個の中から最終的に自分で選択し、それを本人の特有の強みと判断します。
余談ですが、このような診断には、2種類あり、1つは、タイプに分けて診断した本人がどのタイプに入るかを判定するものがあります。したがって、このタイプの診断は、他者と本人の共通のものを見つけようとするものです。
一方、2つ目は、他者との違いで本人の特性を明らかにしようとするものです。VIA診断はこの部類に入ります。
そのため、診断結果の単語とその解説だけを覚えるだけでは、診断の結果を、まだ上手く使い切れていません。
強みを自分の中で最大化するための「強みの表現」
診断結果から得た情報を生かしながら、自分の言葉で、自分の強みを文章で書くことを、お勧めします。
VIAが使っている「好奇心」「ユーモア」等の表現をどの程度まで具体的にするかについて作者達は悩んだようです。
それについて「強みを表現する言葉は、人生のあらゆる場面で使えるレベルで、かつ、できるだけ具体的でなければならない。例えば、”家具”では抽象的すぎる。”ダイニングテーブル”では、具体的すぎ、キッチンでしか使えない。それなら”テーブル”のレベルならすべてのシーンで使え、同時にどのような役割を発揮するかも理解できる」とコメントしています。
ストレングス・ファィンダーとの違い
ストレングス・ファィンダーは、VIAより具体的で、数が多いものになってる理由は表現の具体性の違いがあるからです。
VIA開発の初期のミーティングに、ストレングス・ファィンダーの開発に関与した人達も参加していました。(VIAの開発には、50人以上の心理学者が関与しました)
ストレングス・ファィンダーは、コンピテンシー
ストレングス・ファィンダーは、アメリカの国内でハイパフォーマー調査を実施し、それを基に開発していますので、コンピテンシー開発の手法を応用しています。
参考リンク:レジリエンスコンピテンシーとは
私から見ると、ストレングス・ファィンダーは、コンピテンシーであり、その意味では、高いパフォーマンスを実現するための様々なノウハウが盛り込まれています。下図Aの領域
VIAの位置づけ
VIAは、本人の心的エネルギーを高め、充実感をもたらす事に軸足をおいています。上図Bの領域。また、人生のあらゆる場面で応用できる具体性のレベルで表現されています。
また、VIAを発揮しているときは、充実感をもたらしますから、脳がポジティブになっています。ですから、本人が実力以上の能力を発揮し、高い成果を出したという繋がりがあるかもしれません。
ストレングス・ファィンダーも、成果を出した事で喜びや充実感をもたらします。
上図のCの領域を持っていたら理想ですが。
強みについて、以上のことを整理してみると、下記のように、一般的に4種類あるようです。もちろん、4種類を満たす強みを持っている場合もあるでしょう。
”強み”とは(まとめ)
1.自分の得意なもの
2.自分の他者に誇れるもの
3.自分が実行することで高い成果を出せるもの
4.自分が発揮することで充実感を感じるもの
1,2は、経験の積み重ねによってある程度構築できます。3,4は、科学的な裏付けがあるツールが必要になります。
たまに、Cの領域で活躍している人を見かけますが、みなさん充実してますね。
上図のBの領域の中の左側で効果性が無いが充実感がある領域に、たくさん強みがある人は、
「やり方」や「どのようにするか」ということをもう一度考えてみると良いでしょう。仕事に関することなら「ジョブ・クラフティング」という手法があります。これについては別のブログで。
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