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レジリエンス強化法

うつ症の症状とその対策のための「コラム法」の実践を分かりやすく紹介

2018/06/25

ひどく落ち込んだ人は、このブログを読まないで、休養する事をお勧めします。また、自分以外の他者には適用しないで下さい。

まだ少しエネルギーが残っている人向けの第一段です。

なぜなら、本当のうつ病の人は、物事に集中すると、症状を悪化させてしまうからです。うつ病は、心が疲れてしまっているのですから。

[speech_bubble type="think" subtype="L1" icon="ke.jpg" name="心理学者"]心が疲れている人はここまで![/speech_bubble]

子供のうつ病については、「子供のうつ病はダメな子に見えてしまう」から

ここからは、まだ少し頑張れる人向けです。

うつ病の生涯発症率20%とも言われている身近な病気です。でも、判定が難しく、原因もはっきりと分かっていません。

「うつ」の症状が3ヶ月以上続くとうつ病と判定されます。ですから、誰でもうつ症は経験しています。

今回は、理論的説明は止めて、誰でも実践できるうつ症対策のための認知行動療法の中のコラム法を基礎とした具体的なセルフ・トレーニングの仕方を紹介します。

論理的な説明のリンクはこちらから:フロイトからABC理論への変遷:心理学の認知革命

目次

うつ症の症状とは

まずは、うつ症の具体的な症状から紹介します。まあ、誰でもある身体的な反応ですね。

体温が一時的に上がっても、汗が出る程度で、気にかからないのと同じように、以下の症状が気にかからない場合、問題はありません。

ただ、以下の症状の複数が長く続いて、気にかかるなる場合、このブログの心理療法的な対策を習得しておくと、精神的にも楽に、そして、自由になれると思います。

心身の症状

気分

  • 抑うつ気分
  • 悲壮感
  • 不安感
  • イライラ

思考

  • 小さいことへのこだわり
  • 悲観的な考え方
  • 自責
  • 自殺の企画

身体

  • 倦怠感
  • 不眠
  • 食欲不振
  • 頭痛、頭重
  • 肩こり
  • 喉の渇き
  • 胃部不快
  • 頻尿
  • 性欲減退

行動

  • 興味の喪失
  • 集中力の低下
  • 活動量減少
  • ぐずぐずと先延ばし
  • 周りにうまく助けが求められない

気分、思考、行動の悪循環がうつ症を、さらに悪くします。

うつ症対策の概要

自動思考

気分や気持ちは考え方や思考によって大きく影響されます。

例えば、急いで外出するときに、いつも鍵を置いているところに、自分の家の鍵が無い!

こんな時、どんな考えが浮かびあがってきますか?

「家族の誰かが、持って行った」と考えると怒りが湧いてきます。

また、「何処かに置き忘れた」「駄目だな」と自分のせいと考えると憂うつになります。

「知らな人が盗んで行った」と考えると不安や恐怖を感じます。

「自分のバッグか服のポケットに入っている」と考えると少し気をとり直して、探そうという気が起こります。

このように一つの経験でも、考え方や認識の仕方で、気分や行動、身体の反応が変わったものになります。

このやり方の応用が、認知行動療法です。これによって、自分の考え方や思考を柔軟でしなやかなものにし、気分を軽くして、ストレスを軽減しようとするものです。

問題は、ネガティブな気分を起こした事柄に直面したとき、勝手に頭に浮かんだ「自動思考」です。

あなたは何も悪くありません。あなたの「考え」を導き出した「自動思考」を変えればよいのです。

注意して欲しいのは、自動思考は、何か出来事があったときだけ発生するものではありません。何の関係も無い時ににもフト!浮かんでしまいます。

そして、嫌な思いを思い出して、当時と同じネガテイブな気持ちを発生します。この再現の繰り返しこそがストレスの元凶です。

この元凶であるネガテイブな自動思考の繰り返しを消すことがコラム法の最終的な目的です。

ネガティブな三つの認知

うつ症の傾向が強くなると「自分に」「部分的でなく全体に」「将来に」の三つに対してネガティブに捉えるようになりますから、注意しましょう。

  • 上手くいかない原因は、自分
  • 上手くいかないのは、部分だけでなく全体に広がる
  • 上手くいかないのは、今だけでなく、将来的にも続く

対策のために実施したいこと

  • ストレスの原因となる問題を整理する
  • それぞれの問題がどのような状況から発生し、どのような気分や行動になったかを明らかにする
  • どのような自動思考が気分や行動にどのような影響を与えているかを明らかにする
  • どのような自動思考のパターンや癖があるかを明らかにする
  • 自動思考の結果と現実との差異を明らかにして、ものの見方を変える練習をする
  • 具体的な行動やリアクションを変えてみる

 

コラム法

コラムは、新聞・雑誌などで、線で囲んだ、ちょっとした記事のことで、囲み欄とも言います。

ですから、認知行動療法のコラム法とは、7つの項目について書き出しながらチェックしていくやり方です。

コラム1 出来事

最近、辛い気持ちや嫌な気分になった出来事とその状況を書き出すコラムです。

まずは、5〜6個、リストアップしてみましょう。理想は10個です。

リストの中から、下記のポイントを具体的に記述できるものを一つ選んで、書き出します。

ポイントは、その瞬間やシーンを思い出して、情景を具体的に書きます。誰と、どこで、何を、なぜ、どのように(5W1H)で書きます。

以下は、この記載した、出来事について書いて行きます。

コラム2 気分

出来事の瞬間の気分を一言で表現してみましょう。複数でもオッケーです。

以下の単語から選んでも良いです。

不安/怒り/悲しい/罪悪感/おびえ/怖い/焦り/屈辱/恥ずかしい/心配/失望/困惑/うんざり/いらだち/不満/パニック/憂うつ/興奮/傷ついた/神経質/無我夢中/誇り/安心/快い/楽しい

気分の単語毎に最大を100%、感じないを0%、中くらいを50%として、%の数字で表現しましょう。複数の気分が同%でもオッケーです。

コラム3 自動思考

上記の気分を感じたとき、「何を考えていたでしょうか?」「当時、一瞬、頭をよぎった考えは?」の質問の回答を書き出します。

各気分毎に書き出しましょう。それぞれ複数あれば書き出して下さい。

表現は、文章で、「。」で終わるスタイルで。疑問形は無しです。

もし、思い出せない人向けに、追加質問として、

「どんな事を心配していましたか?自分のこと?誰か他の人のこと?これからの成り行き?」

考えた自動思考とその結果生まれた気分と、整合性がとれますか?気分を作り出したものとして納得できる理屈ですか?

そして、どの自動思考が一番、ピッタリくるものでしたか?それを丸で囲んでおきましょう。

コラム4 根拠の確認

ここからが、新しい考え方へのチャレンジです。

①自動思考の根拠となるものを、事実に基づいて列挙します。

②思考のワナにはまって無いかチェックします。思考のワナ参考リンクは思考のワナから抜け出すリンク

③可能性に焦点をあてたり、大局的に見直してみる。

コラム5 反証の試み

①自動思考の反対の根拠となるものを、事実に基づいて列挙します。

②③の方法を試してみる。

このやり方は、別に二つの方法を別途します。一つ目は、「気分が落ち込んで精神的エネルギーが低くなると、問題の認識も歪んでしまいます。そんな時のために」を9月9日に投稿します。少々お待ちください。

コラム6 新たな思考

大惨事思考の停止や問題解決の手法を駆使して、新しい思考の案を考えても良いでしょう。

コラム7 気分の変化

新たな思考をしたときの気分を%で記入し、当初の気分からの変化を明らかにしてみましょう。

まとめ

これがコラム法の全体像です。コラムの4〜6が1番の山場となりますが、実は、コラムの2〜3の出来によって、後半の難易度が変わってきます。

実際の認知行動療法では、このコラム法を何回か繰り返すことで、自動思考のパターンを発見しようとします。

同じ人でも、元気なときの自動思考パターンとうつ症的なときの自動思考パターンは異なるものです。

ポイントは、うつ症的なときの自動思考パターンに気づくことができれば、今回紹介したコラム法を応用して、そこから脱出できるようになります。

自動思考パターンの参考リンク:「認知のゆがみ」と「スキーマ」/スキーマを変える:アーロン・ベック

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