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心理学

自己効力感(セルフエフィカシー)のあれこれについて

2017/12/06

今回は、自己効力感(セルフエフィカシー)についてですが、チョット深堀すると、意味合いが二つあります。

「自信」という言葉がありますが、この言葉は心理学用語でなく一般的用語です。これで充分なのですが、自己効力感は心理学用語で、厳密に定義して使っていましたが、今は・・・

著者A
セルフエフィカシーを日本語で言うと「自己効力感」!

著者B
厳密には自信とちょっと違う?

自己効力感(セルフエフィカシー)とは

自己効力感(セルフエフィカシーSelf Efficacy)とは、スタンフォード大学のアルバート・バンデューラ(Bandura )博士によって1977年に紹介されました。

博士は、行動療法を認知行動療法に発展させるきっかけとなった社会的学習理論を提唱し、みなさん知ってるモデリングという心理特性の提唱者です。

モデリングとは、憧れの意識から、対象の人物に少しでも近づきたいという心理から、その対象人物のファッションや仕草、行為などを真似することがモデリングの代表です。

話しを戻して、

自己効力感について、博士は、以下の様に定義しています。

『その人の持つ目標や成果の実現に関しての自己能力への確信と信頼』

人がある行動を起こそうとするとき、その行動を「自分がどの程度うまくできそうか」という予想の程度によって、実際の行動が起されるかどうかが決まるというものです。

バンデューラ博士が考えた社会的学習理論と自己効力感

社会的学習理論では、人間の行動を決定する要因を、先行要因、結果要因、認知的要因の3つと考え、これらが複雑に絡み合って行動が決まるという理論です。

その中で、自己効力感は行動の先行要因の予期機能であり、それは、同時に認知的要因にも含まれると考えていました。

したがって、自己効力感は、人の行動を決定する重要な要素で、かつ、変えられるものと考えたのです。

著者C
自己効力感は変えられる!

そのため、自己効力感は、認知行動療法の重要なターゲットとなりました。

効力予期と結果予期

予期機能には、①効力予期と②結果予期の二つがあります。

自分自身が結果を出すためには、下記のように「行動」を媒介として二つのシナリオがあります。

自分➡︎行動⇨結果

著者C
結果を導きだすための行動を適切に取れるか?

という①効力予期と、

自分⇨行動➡︎結果

著者C
その行動が期待される結果をもたらすか?

という②結果予期です。

この①効力予期が、自己効力感であり、②結果予期とは分けて考えます。

特定課題に対する自己効力感と一般性自己効力感

当初、特定の恐怖症や、その恐怖対象への接近行動の改善に自己効力感が重要な要素であることが検証され、治療に活用されていきました。

したがって、特定の目標行動に対しての自己効力感のみに注目していたのです。

著者A
昔、自己効力感は特定の場面だけに対するもの(場面ごとに自己効力感は変わる)でした

しかし、バンデューラ博士は、自己効力感が、このような特定の場面を克服するときの行動に直接影響を与えるだけでなく、長期的な努力の維持や嫌悪に対する耐久力にも関係していると主張していました。

このような一般化された行動レベルの自己効力感を一般性自己効力感と呼びます。

現在では、「自己効力感」という表現だけでは、特定の課題に対する自己効力感か、一般性自己効力感のことを指すかは、文脈で理解するしかないようです。混乱しますね・・・。

一般性自己効力感を測定する16の質問

下記は、「一般性自己効力感尺度」と呼ばれる検証済みの16の質問(GSRS)です。Yes、Noのどちらかで応えてみて下さい。

  1. 何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである。
  2. 過去に犯した失敗や嫌な経験を思いだして、暗い気持ちになることがよくある。
  3. 友人より優れた能力がある。
  4. 仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。
  5. 人と比べて心配性なほうである。
  6. 何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである。
  7. 何かをするとき、うまくゆかないのではないかと不安になることが多い。
  8. ひっこみじあんなほうだと思う。
  9. 人より記憶力がよいほうである。
  10. 結果の見通しがつかない仕事でも、積極的に取り組んでゆくほうだと思う。
  11. どうやったらよいか決心がつかずに仕事にとりかかれないことがよくある。
  12. 友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。
  13. どんなことでも積極的にこなすほうである。
  14. 小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである。
  15. 積極的に活動するのは、苦手なほうである。
  16. 世の中に貢献できる力があると思う。

 

Yesを1点として合計して下さい。ただし、リバース質問は、2,4,5,7,8,11,14,15ですので、このナンバーは、Noを1点とします。

一般性セルフ・エフィカシーが高い人は、困難な状況において以下のような特徴がみられます。

  • 適切な問題解決行動に積極的になれる。
  • 困難な状況でも簡単にはあきらめず努力することができる。
  • 腹痛や不眠などの身体的ストレス反応や、不安や怒りといった心理的ストレス反応を引き起こさない適切なストレス対処行動ができ、かなりストレスフルな状況にも耐えられる。

要は、一般性自己効力感が高ければ、ストレスフルな状況に直面しても身体的・精神的な健康を損なわず、レジリエンスが高くなるということです。

自己効力感の高め方

自己効力感(セルフエフィカシー)は以下の4つによって形成されると言われています。

達成体験

実際に自分自身で行動し、達成できたという体験のことで、これが最も自己効力感を定着させると言われています。

著者C
「できた」という体験

自己効力感を養うには、小さな成功体験を積み重ねることです。

代理経験

他者が達成している様子を観察することによって「自分でも出来そうだ」と学習することで、自分の知人が、不可能だと考えられていた偉業を達成すると、それが代理体験となり「自分にもできるのではないか」という自己効力感が発生することがあります。

著者C
他者の経験を見たり、聞いたりすると、「自分もできるかも」と思える

他者のブログを読んで影響を受け、「自分もやってみよう!」と行動に繋がることも、代理経験です。

言語的説得

他者から達成可能であることを言語で繰り返し説得されたり、励まされたりする体験のことです。
親から「あなたなら出来る」「才能があるからあきらめずに努力すれば」と言われ続けると自己効力感が高くなります。

著者C
「貴方ならできる」と言われると

しかし、言語説得のみによる自己効力感は、容易に消失し易いと言われています。

生理的情緒的高揚

苦手だと感じていた場面で、落ち着いていられたり、赤面や発汗がなかったりする体験は、自己効力感が高められると言われています。

私も、昨年両足を骨折しましたが、痛みを抱えている人は「これをしたら痛みが悪化する」というように自身で決めつけて、行動パターンが狭くなってしまいがちです。

しかし、回復過程では、これまでとは違う行動をしてみることで「あれ?意外と出来たな!」とか「一人でも対処が出来るんだ」というような新しい発見が出来ることもあります。

著者C
「あれ?意外と出来たな!」という発見

この嬉しい発見こそが、「もう少し自分でやってみよう」「自分の力でもっといろんなことが出来るんじゃないか」というように、その人の考え方をどんどんと変えていくきっかけになります。

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